
JR別府駅(大分県別府市)は1966年に民衆駅として高架化され、1kmにわたる高架下商業施設が整備されました。その一部である『べっぷ駅市場(南高架下商店街)』は、開業当初から精肉店・青果店・鮮魚店などの日常買い物ができるお店が多く出店し、別府市民の生活商店街として親しまれてきました。しかし、最近は店主の高齢化や郊外型ショッピングセンターの進出などの影響で空き店舗が増え、施設の老朽化も進んでいます。
そんな状況を受けて、JR九州ビルマネジメント株式会社(福岡市博多区)は、株式会社ブルースタジオ(東京都中央区)の企画・建築設計監理監修・ブランディングのもと、半世紀以上続く『べっぷ駅市場』の生活文化を次世代に継承するためのリニューアルプロジェクトを実施します。
『べっぷ駅市場』は1960年代から今まで、周辺地域の人々にとってかけがえのない「生活商店街」です。開業当初から親しまれている店舗もあり、駅市場の存在は別府の貴重な生活文化の一部と言えます。また、別府市外から訪れる人々にとっては、「別府のリアルな“暮らし”を体感できる場所」であり、別府の観光資源の一つでもあります。
最近、別府駅周辺には多くの分譲マンションが建設され、若年世代の住人が増えています。このリニューアルプロジェクトでは、駅周辺に新しく住む若者にも『べっぷ駅市場』を身近な生活環境の一部として活用してもらうことを目指しています。
リニューアルでは、『べっぷ駅市場』の特徴である「売り手と買い手の近さから生まれる濃密なコミュニケーション」を継承すべく、現状の中廊下型の空間構成を活かし、建て替えを行います。現在の店舗はそのまま出店し続けることができる一方で、新規店舗誘致では、生鮮三品を中心とした若い世代が営む食料品店や惣菜店などを招待し、リニューアル後も別府市民の「生活商店街」として続けることを目指します。
さらに、『べっぷ駅市場』だけでなく別府のまちなかの新たな担い手を育てる場所として、シェアキッチンやチャレンジショップなど、新規創業者のチャレンジを促す区画を新設。駅前広場からの動線整備と、飲食店を中心としたエリアの増設も行います。
現施設での営業は2023年末までを予定し、その後段階的な工事が行われます。工事期間中は隣接する施設で仮移転営業を行い、段階的な開業が予定されています。
最後に、2023年7月21日から23日の3日間、『べっぷ駅市場』でマーケットイベント「線路シタの夜市」が開催されます。現施設での最後のイベントとなるため、ぜひ『べっぷ駅市場』の魅力を体感しにお越しください。